MYOG:UL財布編【β版】
自分用に超軽量財布を作成する実験をしているのですが、今回はその試作品3作目。
以下に、希望するポイントを箇条書。
①超軽量(UL)であること
②単純な構成であること
③お札を収める前に、折り曲げる必要がない
④お金が包まれる、風呂敷のうような機構にしたい
①超軽量(UL)であること
普段から身につけるものは極力軽量なもので過ごしたい。現場作業とデスクワークの両方に対応する財布としては軽さは必須。
②単純な構成であること
材料を極力無駄にしないことがその理由のひとつで、よくある外付けのコインを収める部分といったプラス要素はなくしたい。
③お札を収める前に、折り曲げる必要がない
サッと使えてシンプルな機構であることとのバランスを大事にしたい。
④お金が包まれる、風呂敷のうような機構にしたい
風呂敷はシンプルで、収められる方にも何か安心感があるのではないか。お金さまにも愛される財布として、ハトメやマジックテープなどもなく、包まれている状態でコンパクトにポケットに入るものを目指す。

JWCADで図面を描く。
型紙として作成し、裏面に剥がせるスプレーのりを散布し、素材に貼り合わせた上でカットしていく。
半円部分は手縫いとしたためドットを描き込み、ニードルで呼び穴を開けた。
素材は「1.43 oz Dyneema Composite Fabric」を使用。
特徴は以下の通り。
・軽量でありながら、同重量の鉄の約15倍の強度を持ち、高い引裂き、穿刺、摩擦耐性を備える
・両面にポリエステル樹脂コーティングが施されたサンドイッチ構造で、高い防水性(耐水圧10,000mm以上)を有しながらコンパクトに折りたためる素材
・紫外線耐性と化学的安定性にも優れており、アウトドア用品や登山用具、ミリタリー用品などに広く使われている
・使用に伴い独特の繊維質やシワが生じ、天然素材のような自然な風合いが出てきて、ユーザーに馴染む特徴がある
・1.43 ozタイプはDCFの生地の中ではやや厚手で、ハリがあり耐久性も高いことから、強度を必要とする用途に適している
普段は自然素材を主に好んで使用していますが、上記の魅力的な特徴以外にも、DCFの経年変化や使い心地、そして存在感は心をくすぐるため、例外的に生活に取り込んでいます。
前回の試作品は、二つ折りデザインで、極力サイズを小さく、お札が収まるギリギリラインを攻めた結果、DCF素材の経年変化(縮み)により、お札がはみ出してくることがわかった。また、二つ折りだとカードの収納部分に余白が大きくなるため、今回は三つ折りデザインとし、折りたたむとコインが落ちにくい状態をつくるデザインとした。更に、前回はDCF素材を切りっぱなしの一枚折り曲げ構成で作成したため、軽量ではあったがホツレが生じてしまったので、今回は二重にして作成した。
今回の作業は、必要最低限のミシンで事足ります。
ミシン糸は耐久性のバランスから太めのものを選択。
以上のような反省や経緯から今回作成した財布はは以下のような感じ。

三つ折りした状態。(ポケットの中ではこの状態。)

二つ折りした状態。

全開。向かって右側がコイン、左側がカード類。
カード側を先に折りたたむことで、コイン側が緩く封される機構。三つ折りすると、更にホールド力が増す。
最初にお見せした型紙にある通り、半円部分が二ヶ所開けられた一枚のDCF生地を二つ折りして穴の位置を合わせて縫製し、それを三つ折りして両端を縫製して裏返すと上のような状態になる。

つまり、
①二重のDCF生地を縫製
②三つ折りしたものを縫製して裏返す
③更に三つ折りして使用
という流れ。
重さは5.5gでした。
反省点としては、前回までは左右対称デザイン(コインとカードが左右対称で同じ形態とサイズ)だったことで出ていなかった左右勝手を間違えて縫ってしまった。(後から上記手順②をやり直すことで修正済。)コインを出す際にお札がどちら側の位置から取り出せるかの検証が必要になってくる。(上の写真は修正前の状態。)お札を出す際に、コイン側が下側になるように持たないと成立しないことも検討材料のひとつ。

再現性は中程度でしょうか。
一見すると、コインが落ちたり勝手に開いてきたりしないだろうかと心配になるかもしれないけれど、意外と大丈夫で気に入っています。基本的に電子マネーやカード決済が主で、現金のみに対応するために最小限の小銭を持ち歩きたい方には向いていると思います。
MYOG作品を今後も少しづつ公開していきます。
それではまた。
