Book
PR

雑草堆肥の計画

sofu

岡本よりたか著の『おひとり農業』を参考に、雑草堆肥の計画を立てていく。

本著には、雑草堆肥を作る場所に、最初は下から

・枯葉・雑草(65%):多くのカリウムとミネラル
・米ぬか(10%):窒素・リン酸
・畑の土(25%):分解微生物(腐生微生物)
・水(全体が湿る程度):分解促進(希釈した発酵液でも良い)

とある。

作り方としては、

1. 枯葉を米ぬかと混ぜた後、水をかけて土で覆う
2. 温度を50〜60℃まで上げる(土でカバーして温度を上げる)
3. 2週間後、温度が下がってきたら切り返し(この時、ぬかがあれば追加する)
4. もう一度土を被せる
5. 3〜4の作業を5〜6回(1ヶ月に2回程度)
6. 3〜6ヶ月後に、カビ臭が消えれば使用可能

本書にはない内容だが、米ぬかの代用品として、人糞(コンポストトイレでの排泄物等)も良いとされる。

かつての日本では「下肥(しもごえ)」として、人糞は最も身近で強力な肥料だった。特に野菜中心の生活をされている方のものは、動物性タンパク質の摂取が多い場合に比べてアンモニア臭が抑えられやすく、分解もスムーズに進む傾向があるらしい。

雑草堆肥に組み込む際のポイントと、現代において注意すべき点を整理する。

1. 雑草堆肥における役割
人糞は、米ぬか以上に強力な「窒素源」に。
• 発酵の促進: 炭素の多い「枯れ草」に対して、窒素を豊富に含む人糞を混ぜることで、微生物の活動が爆発的に高まり、堆肥化のスピードが上がる。
• 循環の完成: 畑で育った野菜を人間が食べ、その排泄物を再び土に返すという、エネルギーの完全な循環(クローズドループ)が成立する。

2. 安全に活かすための「熟成」
生のまま野菜に直接かけるのは、衛生面(寄生虫や病原菌)から避けるべき。雑草堆肥として活用する場合は、以下のプロセスを意識。
• 高熱発酵をさせる: 雑草と交互に積み上げ、水分を調整して60℃以上の発酵熱を出させる。この熱によって、病原菌や寄生虫の卵を死滅させることができる。
• 長期熟成: 岡本よりたかさんの手法のように、時間をかけてゆっくり分解させる場合、最低でも半年から1年ほど寝かせて「完熟(土のような匂いになる状態)」させることが重要。

3. 自然界の素材との組み合わせ
人糞だけでは水分が多すぎたり、窒素が過多になったりするため、以下のものと組み合わせると良質な堆肥になる。
• 枯れ草・落ち葉: 炭素を補い、構造を維持。
• 燻炭(くんたん)や炭: 臭いを吸着し、微生物の住処になる。
• 米ぬかの代わりとして: 先述した米ぬかの「10%」の枠を、この人糞(および処理の際に混ぜるおがくず等)に置き換えるイメージ。


活用のヒント
もし本格的に取り入れるなら、「コンポストトイレ」のような形式で、おがくずや腐葉土とあらかじめ混ぜておいたものを雑草堆肥の山に加えるのが、臭いも抑えられ、扱いも簡単でおすすめ。


これも本書で述べられていないが、雑草堆肥作りにおいて、燻炭(くんたん)や炭を投入することについてもまとめてみたい。

雑草堆肥作りにおいて、燻炭(くんたん)や炭を投入することは、単なる材料の追加以上の「微生物のインフラ整備」という非常に重要な役割を果たす。 岡本よりたかさんの手法のように、自然の力を引き出す農法では特にその効果が際立つ。

具体的な役割は主に以下の3点。

1. 微生物の「巨大なマンション」になる
炭の表面を顕微鏡で見ると、無数の微細な穴(細孔)が開いている。これが微生物にとって最高の住処となる。
• 多孔質構造: 雑草が分解される過程で増殖する糸状菌などが、この穴の中に入り込み、外敵や環境の変化(乾燥や低温)から守られながら安定して活動できる。
• 菌の定着: 堆肥が完成した後、この炭を畑に撒くことで、堆肥の中で育った有用な微生物をそのまま土壌へと運び、定着させる「運び屋」の役割も果たす。

2. アンモニア臭の吸着と「窒素」の保持
先ほどの人糞や米ぬかなど、窒素分の多い材料を入れた際に発生しやすいのが「アンモニア臭」。
• 消臭効果: 炭の吸着能力がアンモニアを捕まえる。これにより、近隣への臭いの配慮になるだけでなく、貴重な肥料成分である「窒素」がガスとして空気中に逃げるのを防ぎ、堆肥の中に留めてくれる。
• 水分調整: 炭は余分な水分を吸い取り、乾燥時には水分を放出する調湿機能があるため、微生物が活動しやすい「握って形が崩れない程度」の水分量を維持しやすくなる。

3. 酸度(pH)の調整とミネラル供給
雑草が分解される初期段階では、堆肥の中は「酸性」に傾きがちですが、微生物の多くは弱アルカリ性を好む。
• アルカリ性による中和: 木炭や籾殻燻炭は弱アルカリ性のため、酸性に傾きすぎるのを抑え、微生物が活発に動ける環境を整える。
• 微量元素: 炭には、植物が育つために必要なケイ酸やカリウムなどのミネラルが含まれており、雑草だけでは不足しがちな微量要素を補強してくれる。

雑草堆肥への取り入れ方
『おひとり農業』の文脈で活用する場合、以下のバランスが理想的。
• 分量の目安: 全体のボリュームに対して5%〜10%程度。
• 混ぜ方: 雑草、米ぬか(または代用品)、人糞などを層にする際、その間に振りかけるように散布します。特に臭いの出やすい材料のすぐ上に重ねると効果的。


ポイント
炭は「分解されない」素材。そのため、一度畑に入れれば数年〜数十年とその場所で微生物の住処として機能し続ける。これを「土の骨格を作る」と表現することもある。


雑草堆肥、特に人糞を活用する場合は、「分解を早める環境」と「近隣への配慮」の両立が大切。
最適な設置場所のポイントをまとめる。

1. 日当たり:半日陰(はんひかげ)がベスト
カンカン照りの場所よりも、木陰などの少し湿り気が保てる場所が理想的。
理由: 直射日光が強すぎると堆肥の表面が乾燥し、微生物(特に糸状菌など)の活動が止まってしまう。
夏場の西日が非常に強い場合、建物の北側や東側、あるいは大きな木のそばなどが適している。

2. 水はけ:浸水しない平地
堆肥の底が常に水に浸かっていると、酸素不足で「腐敗」して悪臭を放つ。
条件: 雨が降ったあとに水たまりができない場所を選定。
工夫: 粘土質の土壌であれば、少し土を盛り上げるか、一番下に敷く「粗い枝」を多めにして通気層を厚くしする。

3. 風通し:適度な循環 微生物は呼吸をしているため、新鮮な酸素が必要。
場所: 壁にぴったり密着させるのではなく、周囲に少しスペースを開けて空気が流れるようにする。
風除け: 逆に、冬の強い季節風にさらされ続けると温度が上がりにくいため、防風ネットや囲い(コンパネやパレット等)でゆるやかに囲むのが効率的。

4. 近隣への配慮とアクセス
人糞や生ゴミを混ぜる場合、心理的な境界線も重要。
境界線からの距離: 隣家や道路から数メートルは離し、視線に入りにくい場所を選定。
作業性: 毎日出るもの(人糞や生ゴミ)を運びやすいよう、生活動線から離れすぎないことも継続のコツ。

周囲の森林の間伐で得た薪で薪生活をし、炭は日常的に発生、コンポストトイレで窒素源の確保もできてより循環的な生活に向かっていける。そして手間はかかるが最高に心地よい環境が得られる。

いずれ雑草堆肥場の箱作りを報告したいと思います。

About Me
Sofu.
Sofu.
古民家整備士 / KOMINKA Restorer
長年空き家だった古民家に移住し、簡素で豊かな生活を模索しています。DIYやその他日常作業の気づきやノウハウをアーカイブしていくブログです。適度に本質的かつ良質なものを、既にそこにあるものを用いて調和するよう心がけていきます。
記事URLをコピーしました